ホームインスペクションは2018年4月1日の宅地建物取引業法の改正より取り入れられた制度です。
簡単に言いますと、住宅の健康診断です。中古住宅を購入する方が気になるのは、『欠陥はないだろうか?』『何年間住めるのだろうか?』と言う事ではないでしょうか。
素人目には分からない住宅の状態を専門家が調査してくれるのがホームインスペクションです。
ホームインスペクションの費用と調査時間
ホームインスペクションの費用については、地域や住宅の大きさや形など条件によってかわります。
とは言え、ある程度の相場はあります。
戸建て住宅の場合は、目視による調査の場合5万円~7万円程度になる場合が多いです。その際の調査にかかる時間は3時間程度です。
目視で判断する事が難しい物件の場合は、6万円~12万円程度になる場合が多いです。
壁や天井などの一部を外して(壊して)その際の調査にかかる時間は5時間程度は見ていただいた方が良いです。
マンションの場合は、約5万円程度になる場合が多いです。
コンクリートに穴を開ける訳にも行かないので、基本的に目視のみの診断になります。調査にかかる時間は2時間程度です。
メリットとデメリット
ホームインスペクションのメリット
①買主に信用してもらえるので、高値で売る事が出来る。
②物件の状態を把握して、先に修理など対応をする事が出来る。
➂買主の不動産登記費用が安くなると言う売りポイントが出来る。
中古住宅を購入する方は内心は不安を抱えていることが多いです。しかし、専門家の調査を受けて合格した物件であれば安心して購入する事が出来ますよね。
また、売出し前に調査する事によって売却後のトラブルを未然に防ぐことが出来ます。
売主には直接関係は無いのですが、買主の不動産登記費用が安くなります。他の物件より費用が安くなると言うのは売却する上で一つのポイントとなります。
ホームインスペクションのデメリット
①費用がかかる。
②問題が見つかると売却が難しくなる場合がある。
➂目視が中心なので全ての問題を調査する事が出来る訳では無い。
当然、費用がかかります。
何の問題も無かった場合は良いのですが、何か重大な問題が見つかる場合もあります。
事前に問題を把握することは良い事なのですが、売却自体が難しくなる場合があります。
もしくは売出価格を大きく下げなくては行けなくなります。
みんなやってるの?
中古住宅を販売している不動産会社は、かなりの割合でホームインスペクションを行っています。
それは、不動産会社の場合は最低2年間の瑕疵担保責任を負うからです。
保険に加入してリスクに備えます。メリットは大きいです。
個人で中古住宅を売却する場合は、その限りではありません。
実際にホームインスペクション行っている割合は、中古住宅取引の約4%程度(平成30年 国土交通省統計)でほとんど普及していないのが現状です。
制度自体の一般認知度が低いと言うのが普及していない一番の理由です。
不動産業者でもあまり理解していない人も少なくありません。
出典:国土交通省
『既存住宅状況調査の実施状況に関するアンケート調査結果』
まとめ
個人間の売買では、ホームインスペクションを行わずに取引されている物件がほとんどです。
そうであれば不要であると考えるのも間違いではないでしょう。
しかし、ほとんどの物件が行っていないのであれば、ライバルの近隣物件に差をつける事が出来ると言うのは事実です。
費用がかかりますので、実施するかしないかはメリットをどの程度生かせるかが判断材料になります。