TIPS不動産売却の知恵

分譲マンション

2025/05/29

マンション管理組合の役割とは?

マンション所有者が知っておくべき「管理組合」の真の意味

マンションを所有するということは、単に一部屋を持つだけではありません。建物全体の管理・維持に関わる「管理組合」の一員になるということでもあります。特に昨今では、所有と管理の分離が進み、投資目的や相続によって物件を所有するケースも増えています。そのような中で、管理組合の実態を把握せずに所有していると、大きなリスクを抱えることにもなりかねません。管理組合の活動は、自分の住戸だけでなくマンション全体の資産価値に直結しているのです。意識的な関与が求められています。

管理不全が招く資産価値の低下とその要因

近年、マンションの老朽化や居住者の高齢化により、管理の質が問われる場面が増えています。特に問題となるのが「管理不全マンション」。管理費の滞納、修繕の遅れ、名簿の更新不備などから、資産価値の低下やトラブルが頻発しています。国土交通省の資料によれば、所在不明の所有者がいることで総会が成立せず、修繕工事が進まないという例も報告されています。また、高齢の役員が長年理事を務めることで、運営が固定化し外部からの意見が通りにくくなるといった問題もあります。これらの問題はマンションの魅力を低下させ、空室や売却困難につながります。

法制度を活用した効率的な組合運営のすすめ

管理組合の設置とその活動は、「区分所有法」第3条に基づき、すべての区分所有者を構成員とする団体として規定されています。管理組合には、共用部分の維持管理、修繕積立金の管理、長期修繕計画の策定と実行、理事会や総会の開催といった業務があります。「マンション標準管理規約(令和6年改正)」では、時代に即した対応として、WEB会議の活用や電子的通知の活用が可能となり、柔軟で効率的な運営が進められています。

また、マンション管理適正化法に基づく「管理計画認定制度」もスタートしており、一定の管理水準を満たすことで金融機関からの評価が高まるなどのインセンティブも得られます。これらの法的制度を活用し、透明性と参加性を高めることが、今後の運営の鍵となります。

管理士導入とICT化で活性化した管理組合の実例

例えば、東京都内の築30年超の中規模マンションでは、管理組合の役員が長年固定され、住民の参加意識が希薄でした。その結果、エレベーター更新が遅れ、法定点検も未実施という状態に。さらに、修繕積立金の使途も曖昧で、住民間に不信感が生じていました。そこで外部の管理士を理事長に迎え、運営を第三者視点で見直すことにしました。

WEB会議を活用して総会を開催し、管理費と修繕積立金の適正な使途を明文化。必要な修繕を迅速に実行し、今では修繕積立金の計画も見直され、住民の参加率も飛躍的に向上しました。専門家の導入とデジタル化の推進が成功の鍵となった好例です。

まずは一歩、管理規約の確認と総会参加から

マンション管理組合の役割は、住民の快適な生活環境と資産価値を守るために不可欠です。法的な仕組みと最新の運営方法を理解し、主体的に関わることで、マンションの将来は大きく変わります。特に、これから中古マンションを購入する方や、相続で所有者となった方は、「管理組合がどう運営されているか」に注目してください。

定期的に総会に参加し、議事録を確認するだけでも、そのマンションの健全性は見えてきます。「管理は任せるもの」ではなく、「皆でつくるもの」。まずは管理規約の確認や総会への参加から始めてみましょう。

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