TIPS不動産売却の知恵

不動産売却全般

2023/03/13

認知症の人の不動産売却は代理人がいないとできない!?

不動産を売却する際に高齢の親が認知症につき代理人を立てて契約することがあります。
近年、「親が認知症を発症し施設に入所するので、不動産の売却代金を資金に充てたい」といった需要が増えています。

その中には認知症の親を利用して、兄弟が勝手に不動産売買を行ってしまいトラブルも増えているようです。基本的に、認知症などの病気で「意思能力」がない人が不動産の売買契約を結んだ場合、契約は無効です。
しかし、所有者が重度の認知症でも、「成年後見制度」を利用すれば不動産の売却が可能になります。

成年後見人は、認知症の方に不利になるお金の使い方はできません。今回は、代理人を立てて不動産売却全般を行う方法を、注意点を交えて解説していきます。

認知症で意思能力が無ければ売買契約は無効

意思能力

そもそも認知症になった場合は不動産の売買自体が出来なくなってしまうが、ここで大きくポイントになるのが「意思能力」です。

意思能力がなくなっている場合は不動産売買は出来ません。「不動産を売却したら所有権が買主に移転し、代わりに代金を受け取る」ということを所有者がはっきり認識できていないときには、不動産を売却することが出来ないのです。ですが症状は様々なので意思能力があると判断された場合は通常通り売却できる可能性もございます。

基本的に重度の認知症で「意思能力」が無い場合売買は出来ません。委任状を用意して代理人を立てることも出来ません。親が認知症になり兄弟などで勝手に不動産売却をしてしまうと不動産売却に賛同しなかった兄弟が遺産相続の際に民事訴訟を起こすことも可能なので認知症の方の不動産売買は注意が必要です。

代理人を立て売却する場合(成年後見制度)

法定後見制度の種類.png
引用:成年後見制度 | 函館市 (city.hakodate.hokkaido.jp)

認知症になり意思能力が著しく低下している場合は「成年後見人制度」を利用し売却を進めていきます。
簡単に言うと成年後見制度は、精神的な障害などによって判断能力が低下した人を保護し、支援するための法的な制度です。

成年後見人は本人に代わって財産管理や介護施設入所への契約、遺産分割の協議などを行えます。

本人の能力によって、後見(判断能力が全くない)・保佐(判断能力が著しく不十分)・補助(判断能力が不十分)の3つの分類があり、親族、弁護士、司法書士、社会福祉士、法人、市区町村長が成年後見人になれるのです。一人暮らしの高齢者が増えた最近では、市区町村長が成年後見人になるケースも増えています。

成年後見制度の申し立てが行えるのは、本人、配偶者、4親等内の親族、未成年後見人、未成年後見監督人、検察官、市区村長などがあります。

勿論親族で行うケースもありますが血縁者が成年後見人になる場合は利益相反が起きうるため、弁護士や司法書士などの専門職が選出されることもあります。

成年後見人制度を利用する際には費用、後見人に対しての報酬がかかります。

まとめ

成年後見人には費用もかかりますが、本人の財産や生活を守るという有益な制度です。手続きには、手間と時間もかかります。成年後見制度の内容を理解し、必要であれば、専門家に代理申立てを依頼をおすすめします。

ただし成年後見制度の利用を始めてしまうと原則途中でやめることができないので、メリット・デメリットを十分に理解した上で慎重に選択することが大切。

成年後見人制度は選択肢が限られてしまうので健康なうちに家族で話し合い準備しておくことが大切かと思います。最後までお読みいただきありがとうございました。

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